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【MADE in Urayasu】植物たちが今にも成長をはじめそう… アクリル絵の具と水彩色鉛筆で描き出す、不思議な生命力にあふれた世界。

 第一印象はふわっとしていて、小柄でとても可愛らしい方。でもお話を進めるうちに一本筋の通った芯の強さを感じ、知らず知らずのうちにその魅力に引き込まれてしまう…。水彩紙の上で今にも植物が成長しそうな、そんな絵を描く作家さん、玉村幸子さんにお会いしてきました。

 美大を卒業後オランダに留学、帰国後はデザイナーとして就職をした玉村さん。イラストレーションやDTPの経験を重ね、現在も作品の制作と平行しながらフリーのデザイナーとしても活動をされています。本の装丁や企業ロゴを手がけるなど、第一線で活躍されている実はとってもスゴイ方なのですが、それを傲ることなく等身大でお話をしてくださる姿はとても気さくで優しくて、そんな人柄にもどんどん引き込まれてしまいます。「作品制作は続けていく! と就職した時も思っていました。でも仕事って甘くないですよね。両立しているとは言い難い時期もあり、かなり手一杯でした」。それでも二年に一度のペースで個展をしていたそうで、「26歳の初個展から現在まで、同じギャラリーにお世話になっています。作品を気に入ってくださったのか、ずっと声をかけてくださって、本当にありがたいです」。作品はもちろんのこと、それ以上に『玉村さん』という人柄に惹かれる部分もあったのでは…などと、はにかみながら話す玉村さんをみてそう思わずにはいられなくなりました。

 でも、ここ数年は大きな山があったとか。「二年前、ずっと私の作品を見てきた友人に『イラストを描いているからか、作品の力が弱くなってる』って言われてガーン…って。すごくショックでした」と笑顔を見せる玉村さんですが、そのお話をする目は真剣でした。「作品もイラストも同じ自分が描くもので、どちらも大事な仕事ですが、『自分が描きたいものを描く』作品と、『依頼主の要望に応える』イラストでは使うチャンネルが違います。でも同じ人間がやることなので、影響し合うんでしょうね。イラストは経験を積めば『上手く』なっちゃうんです。それなりに形にできる=こなせるようになってしまう。それが作品に影響したのだと思いました。今の私は『こなして』いるんだ。じゃあ何を作る人としてもダメだと気付かせてもらいました」。この経験がもう一度全ての仕事と向き合いなおすきっかけになったと言います。「なかなか思い通りにいかなくて。こういうつもりじゃないのになあって迷子になりながらとにかく描いていたら、ある日『今の自分、スゴかった!』っていう瞬間がきて(笑)。嬉しかったですね。『自分はものを作る人間です』って言えるようになったと思いました」。自分をもう一度見つめなおした玉村さんの中で、二つのお仕事は今、バランスがとれた状態だそう。

玉村さんが装画やデザインを手がけた書籍たち。

 作品は、アクリル絵の具と水彩色鉛筆で描かれています。ベタな質問とは思いつつも、一枚の絵を描くのにどれくらいかかるのか気になり伺うと、「うーん。この絵は40分くらいだったかな…」。少し意外だったその数字。でも描いている時は時間の感覚がなくなってしまうそうで、「どこか別の場所にいってしまってるというか…。後で絵を見てもどう描いたのかあまり思い出せないんです」。

 ぐぐっと幹が今にも伸びそうな力強さと、細い枝葉がすーっと成長しそうな繊細さ、明日の朝にはお花が咲いてるんじゃないかなと思ってしまう蕾の柔らかさ…植物たちの成長を想わせる水彩紙上の生命力は、悩み考えて作品と向き合ってきた玉村さん自身の強い生命力のようにも感じました。

 仕事にしても表現にしても、家庭にしても…躊躇せずやりたいことは全部やろうって、50歳を前にして思ってます、と話す玉村さん。最後に、玉村さんにとっての作品作りとは何か、お伺いをしました。「手一杯だった頃は、意地でやってた気がします。今は、自分は絵を描く人間なんだと発見しなおした感じです。苦しいことも当然あるけれど、これまでで一番、作品を作ることが楽しいです」。一本筋の通った考え方は同じ女性として尊敬する部分が大きく、私も玉村さんのような生き方がしたい! と憧れてしまいました。小さな身体からあふれるパワーで聞き手を巻き込み、元気にしてくれる…不思議な生命力で周りを魅了する、素敵な作家さんでした。


作品を見たい・購入したい→
https://www.facebook.com/tamamura.sachiko
作品の取扱…ギャラリー巷房(こうぼう)  gallerykobo.web.fc2.com

猫実珈琲店(浦安市猫実4-16-16)で玉村さんがデザインを担当した、てぬぐいや珈琲保存缶、一筆箋などをご購入いただけます。

また、現在店内では店主が所蔵している玉村さんの作品が飾られています。あわせてご覧ください!

※この記事は、フリーペーパー「浦安に住みたい!」11・12月号に掲載された内容です。

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