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【両親のことを考えるきっかけになった】関心を持つことが、第一歩。オムソーリ・カフェに参加してきました。

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認知症カフェ」という活動を知っていますか?認知症の人とその家族、地域の方々…誰もが参加することができ、飲み物を片手に情報交換や相談をすることのできるカフェです。浦安市でも現在6ヶ所で、この「認知症カフェ」は開催されています。 脳トレーニングのゲームや体操をしたり、情報交換・フリートークで認知症について理解を深めたり…カフェによって内容も雰囲気も様々!
今回は、猫実にある「Cafe Bran樹」で開催されている「オムソーリ・カフェ」に参加させていただきました。

参加者は年齢も職業も多種多様。
アットホームな雰囲気で、初めての参加でも自然に溶け込める!

カフェに入ってすぐ「こんにちは!」と元気に声をかけてくださったのが、オムソーリ・カフェ主催者の齋藤哲(さいとう あきら)さん。自身も30代のときにご両親の認知症介護を経験されており…「もっと認知症の知識があれば早く気付いてあげられた…。同じ辛い体験・後悔を他の人にはしてほしくない!」そんな想いから、「オムソーリ・カフェ」の活動を始められたそうです。

続々と集まった参加者の方々…この日はなんと12人の方が参加されました!

齋藤さんの挨拶と、近日開催されるイベントや認知症についてのニュースからはじまり、「今日は初参加の方も多いので…」と簡単な自己紹介へ。
参加者の皆さん、本当に年齢も職業も、参加された理由も様々です!市川でケアマネージャーをされている方母親の介護を現在進行形でされている方最近介護の勉強をはじめた方認知症について知りたいという方…年齢も10代~60代・70代と、とても幅広い!

介護する側も、される側も…
介護がはじまる前に知識をつけておくことの大切さ。

自己紹介の流れから、自然と意見交換へ…


 「私の周りには高齢者が多くて、認知症が身近なんです。『明日はわが身』…ではないですが、勉強ができるうちに知識をつけたいと思って参加しました。世話をする人のことも、世話をされる人のことも、双方向で知るべきだと思ったんです。」
「本当にそう!それが大切なんです。介護する側とされる側、どうしても分けられがちですが、供に行動をすることが大切だと思っていて。私は介護する側ですが、介護を受けている方のお話を聞くと『あぁ、こうした方が良かったんだ』って日常のサポートのヒントをいっぱいもらえるんですよね。それぞれお互いの気持ちを知ることで、理解が深まっていくと思うんです。」


 「舞浜は高齢化が進んでいるのですが、どこか『私はまだ関係がない』と思われている方が多いように感じています。私は介護のかの字も知らない時に介護がはじまってしまい、本当に苦労をしました。だから事前に知識をつけておくことは、本当に大切なことだと思いますよ。」

「まだ先の話だから今はいい」のではなく、その時のために備えておくこと…。経験を交えたお話には説得力があり、恥ずかしながら「まだ先の話」と思っていた私には衝撃でした。まだ元気に暮らしてはいますが離れて暮らす両親のことが頭に浮かび、皆さんのお話には考えさせられることがたくさんありました。

「介護の方法は、YouTubeにすごく詳しく紹介されている!参考にするといいよ!」
「抱き上げ方ひとつで、介護する側もされる側も全然違うんだよ。施設に行っているなら、そのスタッフさんに詳しく教えてもらうといいよ。本当に楽になる。」
それぞれの経験をもとにしたアドバイスは、すぐに実行できるものがほとんど。生きた介護のお話は、「そうだったんだ!」と参考になるものばかりでした。

自己紹介の後は、お隣同士でお話が盛り上がりフリートークへ!

席を移動したり数人で輪になったりして、情報交換や相談を楽しそうにされていました。皆さんの“ウェルカム”な雰囲気はとても温かく、初めての参加でも気負うことなく自然に溶け込むことが出来ました!

カフェの後、認知症のご両親を介護をされている方に
お話をお伺いさせていただきました。

「2014年の春ごろ『あれ…母の様子がおかしい…』と思い、認知症を疑いました。当時は全然知識がなかったので、とにかく知識をつけなきゃ・情報を集めなきゃと思い、コミュニティーで認知症カフェを見つけて。そこに参加してみたのがオムソーリ・カフェとの出会いですね。」 


お話をしたくださったのは、今回のカフェにも参加されていた中村さん(写真右側。左は主催者の齋藤さん。)
現在もお仕事を続けながら、認知症のお母様の介護をされています。

「何度か『母が保護された』という連絡をもらい…。一度病院で診てもらった方がいいよとアドバイスをもらって、診てもらったんです。母はアルツハイマーの初期~中期にかかっていました。母が79歳の時です。それから、本格的な介護が始まりました。」

当時中村さんは浦安に、お母様は埼玉にと離れて暮らしていたため、中村さんは浦安と埼玉を行ったり来たりの生活を続けていたといいます。平日はテレビ電話で見守り、週末は埼玉へ様子を見に行く…。お仕事をしながらの介護は、私の想像以上に大変なことがあったのだと思います。
「2年前、母は埼玉の実家から介護施設に移ることになりました。」

「施設に入ること。私の中でも葛藤はあったと思います。でも、そうせざるを得ないというか…例えば料理中の火にしても、火の不始末って本当に危なくて…。母のことも心配だし、周りにも大変な迷惑をかけてしまう可能性がある。そう考えると、施設に入ることが出来て良かったという気持ちもあります。実際に今の施設はとても充実していて、母も家にいたときより快適に過ごせています!」

“その人らしさ”を大切に、今までのイメージとは変わりつつある「介護施設」。でもまだどこかに「両親を施設に入れること」への後ろめたさや踏み切れない気持ちをお持ちの方も、多いと思います。中村さんのお話は、そんな方への勇気や希望に繋がっている…そう感じました。
「私は一人っ子なもんで…。兄弟がいたらまた違ったと思うんですけどね。全く介護のことなんて知らなかったし、相談する相手が誰もいなかったんです。そんな時に、オムソーリ・カフェで同じ境遇の方や知識をもっている方といっぱい出会い、相談をする機会が増えたんです。とても心強かったですよ。」

だからこそ自分の経験を、多くの方に役立ててもらいたい!…中村さんは2014年から3年間、今でもカフェへの参加を続けています。
「母の症状は、今でも少しずつ進んでいます。サルコペニア(加齢性筋肉減少症)も併発して、今は車椅子で生活しています。でも、最近サルコペニアの症状を回復する特効薬が見つかったとかで…!治療を試しながら様子を見ています。
 週に1回は必ず母のもとに訪れて、車椅子でも外に出るようにしています。脳への刺激にとてもいいから… ずっと、長生きをしてほしいです。」

中村さんのお話は心に響き、離れて暮らす両親のことを考えるきっかけを作ってくださいました。

認知症の方も、その家族も、その地域の方も…
誰もが安心して生活できる地域づくりのために。


「オムソーリ」とはスウェーデン語で「悲しみの分かち合い」という意味なのだそう。認知症の方をはじめ、ハンディキャップがあっても普通に生活が送れる、そんな地域を作っていきたい…と齋藤さんは言います。
「認知症の方も、介護をするご家族の方も。不安や悲しみをなかなか周囲に相談することが出来ないんです。だからこそ同じ境遇の方々が、介護職の方や医療関連の方と一緒に語り合うことで、想いや情報を分かち合うことが出来る場所を作りたい…と思っています。是非気軽に、参加してみてください!」

今回は意見交換会からそのままフリートークへ進みましたが、グループになって意見交換をしたり、お医者さんがミニ講座を開いたり…と、回によっても内容が全く変わってくるそうです!認知症の知識を深め、誰もが安心して生活できる地域を作る。一人ひとりの意識の変化とちょっとした関わりで、そんな地域づくりは可能だと思います。

「まだ関係ない…」とは思わずに、是非一度、認知症カフェに足を運んでみてください。

次回のオムソーリ・カフェ

日程:8/26(土)・9/16(土)
時間:13:00~15:00(開場12:30 入退場自由)
場所:Cafe Bran樹 浦安市猫実1-17-16


参加費:無料(飲み物・飲食代はお店へお支払いください)

お問い合わせ
090-6042-7672 (齋藤)
omsorg.saito★gmail.com
※★を@に変更して、お問い合わせください!

オムソーリ・プロジェクト

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